鉄道総合

スーパーあずさ用E351系を引退前に撮る・・・の前置き(長くなったので分割します^^)

中央線特急スーパーあずさ用として使われてきたE351系が2018年3月16日(金)で引退する。

E351系の詳細はいつもの通り偉大なるWikipediaのページをご覧いただくとして、

この車両はいろいろな意味で「特別」な車両であった。

運転開始は1993年、量産車は1995年の登場。

JR東日本の車両として初めて車両形式に「E」が付けられ、JR東日本で初めての「制御つき自然振り子装置」であると同時に、唯一の振り子車両である。

「振り子」はカーブで車体を傾けるシステムであり、通常の車両よりも高速でカーブを通過でき、中央線特急の高速化に寄与した。

が、

結局製造されたのは60両(基本8両+付属4両の12両編成が5本)にとどまり、あずさの全列車を置き換えるまでに至らず、

E351系のあとに製造されたE257系には振り子装置を搭載していない。

そのため、後から登場しているE257系よりも古いE351系は、E257系よりも高速で走れることから、今日まで中央線特急のエース「スーパーあずさ」に投入され続けていたが、

老朽化のために後継のE353系にその道を譲り、E351系は今年3月での引退が決定している。

国鉄型車両であり、波動用として当面の活躍が期待できる185系よりも早々の引退決定。

2003年に183系、189系があずさの定期運用を退いてから10年以上、波動用車両として活躍が続いているのとは裏腹に、かなりあっさりと終わりを迎えるというのは不遇だと思わざるを得ないのだが、

やはり早期の引退の要因には、特殊な車両ゆえの扱いづらさがあることが挙げられる。

そもそも、中央線特急車両の半分にも満たない60両しか製造されなかった時点で何らかの問題があったという見方をするのが一般的だろう。

特にJR東日本は振り子車両のノウハウに乏しい上に、この車両が登場した1990年代初頭というのはまだ制御式振り子装置の技術も確立されていなかった。

設計が始まったのはバブル期だったが、実際に製造が開始され、運用されるようになったのはバブル崩壊後というのも関係しているだろうと思われる。

この車両の問題点として考えられるのは主に下記の通りである(独断と偏見によるもの)。

●振り子装置の問題点
振り子装置をフル稼働されると、トンネル断面に接触することがのちに判明。トンネルに接触しないよう、傾斜角度は浅く調整(最大5度程度)され、曲線通過速度も最大で本則+20km/h程度にとどまるため、当初想定していた性能を発揮できていない。
(※E351系以外の振り子車両は、本則+30km/h~35km/hになるのが一般的)

●車両設計上の問題点
低重心化が求められる振り子型車両なのに、車両の重心が高くなっていて(屋上に冷房装置が搭載されていることも要因の一つ)、乗り心地に問題がある。重心が高いと、立っているときには足元をすくわれるような感覚になり、座っているときは下半身に衝動(G)がモロに入るために乗り物酔いを起こしやすい。
また、振り子車両は曲線を高速で走行するために線路に負担がかかり、線路の強化が必要になるが、線路に負担が極力かからぬように軽量化をすることが望ましい。しかし、E351系は普通鋼製で、1両あたりの自重は36t~40t程度あり、後継車でアルミ製のE257に比べて1両あたり約5t程度重い(=保線作業にコストが多くかかる)

●イニシャルコストとランニングコストの問題点
前述のように、新しい機構をたくさん投入したことから、とても高コストな車両になった上に、その新設計を運用するにあたって多くの期間を費やした。さらに、この特殊機構を維持する整備の手間と、保線作業の手間を考えると、車両を使い続けるだけで「金食い虫」状態になっていることが予想される。

・想定していた性能を発揮できていない
・乗り心地が悪い
・金がかかる


この3点がスーパーあずさ用E351系が60両しか製造されず、早々に引退が確定した要因であると予想できる。



新しい技術には常に失敗がつきもので、必ずしも想定通りの結果が残せなかったからといって責められることではない。

そうした失敗があるからこそ既存の技術が飛躍的な進歩を遂げたり、さらなる新しい技術が生まれたりするのだ。

スーパーあずさのE351系が誕生してから25年、

今は高コストな振り子装置に変わり、機構が単純で維持管理がしやすい空気バネ式車体傾斜装置が主流になりつつあり、

東海道新幹線のN700系にはこの空気バネ式車体傾斜装置が搭載されて、所要時間の短縮が実現したし、E351系の後継車であるE353系にもこのシステムが搭載されている。

(ただ、空気バネ式車体傾斜車両の方が振り子車両よりも本則が低いため、一般的には同等の性能であるとは言えない。皮肉になるが、E351系が振り子車両本来の性能を発揮できていないからこそ、空気バネ式車体傾斜車両のE353系で置き換えても所要時間に差が出ない)

この車体傾斜装置も万能かと思いきや、土讃線への投入を検討していたJR四国の2600系は、あまりにもカーブの多い線区を走行することから車体を傾けるための空気の補充が間に合わず、製造中止が決定した。

新しい技術っていうのはすぐに問題がわかって対処できるものもあれば、運用しているうちに問題が出てくるものもある。

経年劣化で出てくるもの、特定の気象条件で出てくるもの、特定の使用環境(乗車率や線形含む)で出てくるもの、本当に色々あるから、

いくらコンピュータが発達して、仮想空間でのシミュレーションが可能になった時代でも、現実世界の中で運用して初めて浮き彫りになるような問題点は必ず出てくるということ。

JR四国が素晴らしいと思ったのは、2600系で本来の性能が発揮できないとわかった時点で製造を取りやめ土讃線ではない他線区へ転用し、土讃線用には再度振り子装置搭載の次世代新型車両を投入することを決めたことである。

JR東日本は想定していた性能が発揮できないとわかりながらE351系の量産車を作り、予定通り中央線に投入してしまった。

JR北海道はあまりにもお金がなく、戦闘意欲も喪失し、振り子車両も空気バネ式車体傾斜車両も作るのをやめ、既存車両でも車体傾斜装置を使わずに使用を続けている。

JR西日本は振り子車両を通常の車両で置き換え、スピードダウンしてしまった。

そんな中で、沿線基盤が弱く、経営的にもかなり厳しいはずであるJR四国が、今もなお振り子車両の開発を続ける姿勢を示したのは本当に素晴らしいとしか言いようがない。

どんな車両が出来上がるのか非常に楽しみである。


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